春にしか現れない“水の森”、白川湖の奇跡の絶景
山形県南部、飯豊町にある白川湖では、毎年春になると“幻の森”が姿を現します。それが「白川湖の水没林」。飯豊連峰の雪解け水が湖へ流れ込み、湖面からシロヤナギの木々が浮かび上がるように生える、まさに自然が生んだアート作品のような絶景です。
この限られた季節にしか出会えない風景は、近年SNSやメディアでも大きな話題に。2023年にはナショナルジオグラフィックにも掲載され、今年はJR東日本の東北プロモーション「TOHOKU RELAX」にも登場するなど、その注目度は全国区となっています。
夜の水没林に光が舞う──ライトアップ開催日と詳細
この春、白川湖の水没林が再び幻想的な“夜の顔”を見せてくれます。ライトアップイベントは、2025年4月19日(土)・20日(日)、4月26日~5月11日までの期間で開催。時間は18:00〜21:00です。
光に包まれた水没林は、昼間とはまったく違う姿。高照度LED(930LUX)を使用し、しかも静かなバッテリー電源で照らすことで、自然を壊すことなく、非日常のリラックス空間を演出しています。
会場情報
- 場所:白川湖岸公園(山形県飯豊町数馬218-1)
- 協力金:1,000円(GW期間および各週末、17:00~21:00徴収)
また、会場では焚き火を囲んでくつろいだり、幻想的な「水没林BAR」でドリンクを楽しむことも。ライトアップを観ながら、キャンプ気分も味わえますよ。
クラウドファンディング型ふるさと納税で未来を照らす
今回のライトアップは、クラウドファンディング型ふるさと納税で実施されています。集まった寄付金はライトアップの運営費や環境整備、そして地域の林業支援に活用されます。
寄付者には、飯豊町の特産品であるお米や米沢牛など、うれしい返礼品も用意。幻想的な風景を楽しんだあと、自宅でも飯豊町の味覚を楽しめるのは嬉しいポイントです。
なぜクラウドファンディングなのか?
飯豊町の中津川地区では、過疎化や林業従事者の減少により、豊かな森の維持が難しくなっています。この取り組みは、観光を通じて「森の価値」に目を向けてもらうこと、そして持続可能な地域づくりを進めることを目的としています。
また、GW期間中の混雑緩和も重要な狙い。昼間の来訪者を夜へ分散させることで、地域と観光の共存を図るというアイデアも秀逸ですね。
主催者「中津川の森人会」とは?
このイベントを主催するのは、地元有志による「中津川の森人会」。代表の加藤雅史さんは、2019年に横浜から飯豊町へ移住し、林業を生業に地域の自然と真摯に向き合っています。
会では、森林研修の受け入れや芸術家とのコラボイベントなども開催し、単なる林業団体ではなく“新しい森の活用”に取り組んでいます。今回のライトアップも、「木のある森の価値」を感じてもらうための大切な機会です。
水没林シーズンの見どころとアクセス
水没林の季節ごとの表情
- 3月下旬~4月中旬:雪と木々のコントラストが美しい「白の水没林」
- 4月中旬~5月下旬:芽吹きの緑が輝く「緑の水没林」
アクセス方法
- 東北新幹線 米沢駅・高畠駅・赤湯駅より車で約45分
- JR米坂線 手ノ子駅より車で約20分
- 東北中央自動車道 南陽高畠ICより車で約40分
最後に──白川湖で自然と向き合う時間を
白川湖の水没林ライトアップは、ただの観光イベントではありません。地域の森を未来へつなぎ、人と自然の新たな関係を築くための試みです。美しさに癒やされ、静けさに心がほどける夜を、ぜひ体感してみてください。
ライトアップの光が、あなたの心の中にも静かに灯るはずです。
