住宅を建てる際、まず最初に直面するのは、「どこに建てるか」という問題です。
つまり<都心か郊外か>というテーマで、狭い都心を工夫して有効に使うか、それとも広い郊外をゆったり使うか、というどちらかの選択が必要になるのです。
狭い都心の3~4階建てか、それとも広い郊外の2階建てか
住宅を建てるには土地が必要です。その土地の値段は郊外より都心の方が高いのが一般的です。
ということは同じ予算で購入できる土地は、都心では狭く、郊外では広くなるのが普通です。これで分かるとおり、狭い都心を選択した場合は土地の有効利用を考えなければいけません。
そこで登場するのが3階や4階建て住宅なのです。これに対して広い郊外では土地をゆったり使った2階建てを考えるのが一般的です。
都心の3・4階建て、郊外の2階建て、どちらを選択するかを考えるには、まず2者のメリット・デメリットを比較することになります。都心のメリットはなんと言っても通勤と生活の利便性です。
とは言え、庭などのスペースが取れませんから、休日の庭いじりは期待できません。それに都市特有の騒音も我慢しなければいけません。
では郊外はどうでしょうか。こちらの方は土地が広いため都心のように住宅を上に伸ばす必要がありません、したがってゆったりとした2階建てでよく、しかも庭を作るスペースもじゅうぶんあります。また都会と違って、休日は静かな環境でのんびり過ごすことができます。
ただ通勤には1時間以上かかるのは普通でしょう。それに休日はどこに行くのも車での移動が必要になるかもしれません。都心のように「少し歩けば駅がある」という訳ではないからです。
郊外の都心の3・4階建てと郊外の2階建てを比較してみると
ほぼ同じ予算で建てた都心の3階建てと郊外の2階建てを比較してみました。
<生活の利便性>
通勤・生活両面の利便性は都心の3階建ての方が駅やスーパーなどが遠い郊外の2階建てより圧倒的に有利です。
<生活環境・住み心地>
都心は狭い上に騒音が多いなど、環境の点で劣ります。その点郊外は敷地が広い上、静かな環境でゆったり生活ができます。
<住宅の耐震性>
2階建て住宅と3階建て住宅には構造計算で大きな違いがあります。2階建て住宅は4号建築物に該当しますが、この場合は審査の簡略化が認められており、建築審査は省略しても良いことになっています。
一方3階建て以上の場合は建築検査は必須になっている上、耐震性などに対する構造規定も2階建てより厳しい内容のものが設定されています。したがって2階建てに比べて耐震性が劣るということはありません。