東京都西東京市にある「下野谷遺跡(したのやいせき)」が、国史跡指定から10周年を迎えました。令和7年(2025年)を節目とし、市では1年を通してさまざまな記念事業を展開中です。今回は、歴史ファンはもちろん、家族連れでも楽しめるこの遺跡の魅力と最新の取り組みをご紹介します。
南関東最大級の縄文集落「下野谷遺跡」って?
西東京市東伏見の住宅地に位置する下野谷遺跡は、今から約5,000~4,000年前の縄文時代中期に栄えた大規模な集落跡。都市化が進む現代の街の中に、ほぼ完全な形で遺跡が残されているのは非常に珍しいことです。
特に注目されるのが、遺跡の構造です。住居跡やお墓と考えられる土坑(どこう)が「環状」に配置されており、それが2つ存在する「双環状集落」という形になっています。この構造や出土した土器などから、集落が1,000年以上も続いた、石神井川流域の拠点的な存在だったと考えられています。
遺跡を「学びの場」として活用
遺跡の一部は地下に保護され、上には竪穴住居などが復元されています。日曜には内部の見学も可能で、当時の暮らしぶりを体感できます。さらに、遺跡周辺には縄文時代の植生も復元され、クリやクルミといった縄文人に親しまれた木々が観察できます。
2020年にはクラウドファンディング型のふるさと納税で4,740,145円もの寄附が集まり、「エントランスゾーン」の整備が実現。2023年には市民の公募で整備地の愛称が「したのや縄文の里」と決定し、市民に親しまれる場所となりました。
10周年を祝う特別イベントが盛りだくさん!
10周年を記念したイベントは年間を通して開催される予定です。
■春イベント「縄文のムラで春風と遊ぼう!」
- 開催日:2025年5月18日(日)
- 内容:VR体験や縄文ファッションショー、専門家による竪穴住居や植生の解説など
■秋イベント「したのや縄文の里 秋まつり」
- 開催月:10月
- 内容:火おこしや弓矢体験、和太鼓演奏、出土品の解説など多彩な体験型企画
■記念シンポジウム(12月予定)
詳細は11月1日号の「広報西東京」および市HPにて発表予定。
その他の取り組みも充実
イベント以外にも、「縄文植物の育成」や「遺跡ガイドの育成」、「竪穴住居建築の研究」、さらには「下野谷遺跡応援商店のブランド化」など、多角的な展開が予定されています。単なる歴史スポットではなく、地域と共に成長する「生きた史跡」なのです。
出土品の一部は郷土資料室で公開中
出土した縄文土器などは、西東京市郷土資料室にて見学可能。元学校を改装した展示室では、深鉢形土器などの貴重な出土品を間近で見ることができます。さらに、スマホアプリ「VR下野谷縄文ミュージアム」では、遺跡の復元CGを楽しめるほか、西東京市デジタルアーカイブでは土器の3D画像も閲覧可能です。
アクセスと基本情報
- 所在地:東京都西東京市東伏見二・三・六丁目地内
- 面積:約13.4万㎡
- 主な時代:旧石器時代~近代
- 構造物:竪穴住居跡400軒以上、堀立柱建物跡20基以上、土坑1,000基以上
縄文の人々の暮らしを、現代のまちの中で感じられる「下野谷遺跡」。歴史ファンはもちろん、親子での体験学習にもぴったりのスポットです。10周年を機に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?