緊張と覚悟が交錯した「人生を変える一日」
AAAのメンバーとして一世を風靡し、現在はソロアーティストとしても活躍する與真司郎(あたえしんじろう)さん。彼が2023年7月、約2000人のファンを前に自身がゲイであることをカミングアウトしたスピーチは、日本だけでなく世界に強いインパクトを与えました。
その衝撃と感動の舞台裏が、2025年4月16日発売のフォトエッセイ『人生そんなもん』(講談社)で赤裸々に語られています。今回はその冒頭「はじめに」を通して、カミングアウト前夜と当日の心情に迫ります。
スピーチ原稿に込めた「一言」の重み
2023年7月25日、カミングアウトの前夜。與さんは都内の仮住まいにて、国内外の関係者と最終原稿の確認に追われていました。どんな言葉を選ぶか、その一言で人生が大きく変わってしまうかもしれない。そんな重圧の中、「100点の原稿を作りたい」という強い思いで何度も推敲を重ねていたといいます。
「たった一言のニュアンスの違いで誤って伝わってしまう。その後悔だけはしたくない」——この言葉から、彼の真剣さと責任感の強さが伝わってきます。
「逃げられない」本番当日の朝
翌朝、目が覚めた與さんの胸にあったのは「やるしかない」という覚悟。ファンもスタッフも、そしてメディアもその瞬間を待っている。たとえ日本に居場所がなくなっても海外で生きていくと覚悟を決め、與さんは舞台へと向かいます。
支度を済ませ、会場のLINE CUBE SHIBUYAへ。緊張がピークに達する中でも、スタッフや仲間たちと明るく接し、普段通りの自分でいようとする姿に、彼のプロフェッショナリズムと人間らしさがにじみ出ます。
「ゲイ」——その一言の壁
「壇上に行きたくない」という気持ちと「終われば楽になれる」という思いが交錯しながら、與さんはステージへ。2000人の観客を前に、ついにその瞬間が訪れます。
最も言いづらかったのは、たった一言「ゲイ」。その言葉を口にすることが、これまでの人生を否定されたように感じる瞬間でもあり、同時に自分自身を解放する扉でもあったのです。
「もう後には引けない」——そう心を決めた與さんは、原稿を手に、自らの真実を語りました。
すべての人に寄り添う、心揺さぶるエッセイ
このエッセイは、與さんのカミングアウトに至るまでの葛藤と決断、そしてその後の変化を描いた貴重な記録です。ただの有名人のエピソードにとどまらず、誰もが抱える「自分らしく生きることの難しさ」と向き合うきっかけを与えてくれます。
同書では、AAA時代の裏話やソロ活動の舞台裏、そして海外での生活なども紹介。読み進めるうちに、彼の一歩一歩に心を重ねずにはいられません。
書籍情報
- タイトル:『與真司郎フォトエッセイ 人生そんなもん』
- 発行:講談社
- 発売日:2025年4月16日
- 価格:1,980円(税込)
- 仕様:四六判/160ページ
- ISBN:978-4-06-538728-3
- 購入リンク:Amazonで購入
あなたの「本当の気持ち」に向き合う一冊
與真司郎さんの『人生そんなもん』は、自分を受け入れ、誰かに届けたい言葉を持つすべての人に読んでほしい一冊です。胸に秘めた思いを抱える人にとって、大きな勇気を与えてくれるでしょう。