小児科医が足りない、夜間の診療に不安を感じる…。そんな地域医療の課題に立ち向かう画期的な取り組みが、山口県岩国市で始まりました!
2025年4月3日から、岩国市医療センター医師会病院では、日本で初めてとなる「来院型オンライン診療」が導入され、小児患者を対象とした夜間診療がスタート。しかも、診療を担当するのは“ふるさとに想いのある医師”たち。医師不足の地域に、新しいかたちの医療支援が生まれています。
「来院型オンライン診療」とは?
オンライン診療と聞くと、自宅からスマホやパソコンで診てもらうイメージが強いですよね。でも今回の取り組みは少し違います。
患者さんは病院に来院し、院内に設けられた専用スペースで、看護師のサポートを受けながら、遠隔地の医師とビデオ通話で診察を受けます。
例えば、夜中に「子どもが発熱して心配…」という時も、直接医師と対話でき、必要があればその場で血液検査や点滴、吸引処置などにも対応可能。
これは従来のオンライン診療ではなかなか実現できなかった柔軟性です!
なぜ「オンライン」なのに「来院」?
このスタイルのポイントは、オンラインの利便性と、来院の安心感の“いいとこ取り”をしている点。
医師が現地に常駐していなくても、看護師が処置を補助しながら、必要な対応がすぐできる体制が整っています。
「ふるさと診療」って何?
今回の取り組みで診療にあたるのは、山口県にゆかりのある医師たち。普段は東京や関東圏など、遠方で働いている小児科医が、自身の「ふるさと」の医療を支える形です。
この仕組みは「ふるさと診療ドクター」と呼ばれ、地元と医師をつなぐ新しい医療モデルとして注目されています。
医師にとっても、地元とつながり続けるチャンス
「祖父が山口県出身で、小児医療に関われることに深い縁を感じます」と話す福永遼平医師(関東在住)も、この仕組みに共感して参加した一人。
地域に貢献したいという気持ちを持ちながらも、物理的な距離でなかなか実現できなかった「地元支援」をオンラインで叶える…。これは医師側にとっても大きな意義があるんですね。
ジェイエムインテグラルの支援とは?
このプロジェクトを後押ししているのが、株式会社ジェイエムインテグラル(東京都港区)。
コロナ禍では山口県の検査体制やフォローアップ支援を担ってきた実績があり、今回も医療DXの一環としてこの事業を強力にサポートしています。
代表の和泉大志氏自身も岩国市出身。まさに、ふるさとへの思いが形になった取り組みと言えるでしょう。
今後の広がりに期待!
小児医療の地域偏在、医師不足…。地方が抱えるこの課題は、岩国市だけの問題ではありません。
「来院型オンライン診療」+「ふるさと診療」は、他の地域でも応用可能なモデルとして全国的な注目を集めそうです。
岩国市のように、地域医療に新しい風を吹き込む“ふるさと発のDX”。
この動きがもっと広まり、安心して子育てできる環境が全国に広がっていくことを願わずにはいられません。