用途地域と建ぺい率、容積率の関係

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別項で用途地域について説明しましたが、実はこの用途地域は<建ぺい率><容積率>と切っても切れない関係にあるのです。なぜなら建ぺい率や容積率は用途地域によって決まってくるからなのです。

住宅購入では建ぺい率と容積率の確認が欠かせない

けんぺいりつを漢字で書くと建蔽率となりますが<蔽>という字は難しい上に、かつては常用漢字として認められていなかったこともあり、一般的には建ぺい率と表示されることの方が多いようです。

建ぺい率を簡単に言いますと、<敷地面積に対する建築面積の割合>ということになります。別の言い方をしますと、対象になる敷地に対してどれくらいの大きさの建物が建てられるか、ということです。

また、建ぺい率は建物に対してだけでなく、空き地の割合も表します。つまり家と家の間にどれくらいの空き地を確保しなければいけないかという点からも決められるのです。

建ぺい率は<用途地域>によって制限されます。したがって建ぺい率と用途地域は密接な相関関係があるのです。

では容積率のほうはどうなのでしょうか。容積率とは、<敷地面積に対する建物の延べ面積の割合>のことです。言い換えると、対象の敷地にどれくらいの床面積の建物が建てられるか、ということになります。

この容積率も建ぺい率と同じように用途地域によって制限されます。

用途地域と建ぺい率は繋がっている

上の説明で分かるように、建物の建ぺい率や容積率は用途地域によって制限されます。つまり建物のボリュームは用途地域によって決まってくるのです。ということは、住宅地の良し悪しもこれで測ることができるのです。

住宅地の良し悪しの条件の一つに<閑静さ>がありますが、この閑静さは用途地域と大きな関係があるのです。つまり用途地域で建ぺい率や容積率が低く設定されたところほど、閑静さの度合いが高いのです。

言い換えれば建ぺい率や容積率が低い地域ほど、高級住宅地にふさわしいのです。

建ぺい率・容積率 ≪高い≫ ⇒ 建ぺい率・容積率 ≪低い≫
( 閑静さ・低い ) ⇒ ( 閑静さ・高い )

なお用途地域で住宅地と見做される地域を建ぺい率と容積率を高い順に並べていくと次のようになります。

<準住居地域> ⇒ <第二種住居地域> ⇒ 第一種住居地域> ⇒ <第二種中高層住居専用地域> ⇒ <第一種中高層住居専用地域> ⇒ <第二種低層住居専用地域> ⇒ <第一種低層住居専用地域>

以上の7種類になりますが、これで分かるとおり、最も建ぺい率と容積率が低いのは最後の<第一種低層住居専用地域>です。ということは当然のことながらこの地域が最も閑静さの高い地域ということになります。

今わが国の高級住宅地と呼ばれる地域は、ほとんどがこの第一種低層住居専用地域にあります。

これで分かるように、その地域の環境は用途地域によって予想することができます。とは言え、閑静の度合が高くて環境が優れていることだけが良い地域であるとは断定できません。

良い地域と呼ぶには、こうした条件以外にも、生活の利便性が備わっていることも大切な要素になります。

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