中層以上の集合住宅やビル、店舗などに多く用いられる重量鉄骨造

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「剛接合」して造る、非常に堅牢な建物 重量鉄骨造

重量鉄骨造とは、建物の柱や梁などの構造材に厚さ6mm以上の鋼材を使った建物のこと。6mm、9mm、12mm といった、分厚い鋼材(H型鋼など)を溶接などによって「剛接合」して造る、非常に堅牢な建物です。

軽量鉄骨造のように「ブレース」(筋交いのような働きをする鋼材)に頼ることなく、柱と梁だけで充分な強度を出す「ラーメン構造」と呼ばれる枠型の構造を持ち、大きな開口部や大空間を作る事ができます。

非常に頑丈な構造のため、中層以上の集合住宅やビル、店舗などに多く用いられる建築方法で、3階建て住宅にも多く採用されています。

重量鉄骨自体は公共工事などにも使われる工業製品で、品質が安定している上に比較的安価であるため、住宅用に使ってもそれほど大きなコストアップ要因にはなりません。

地震や台風、積雪といった外からの力にびくともせず、長い年月にわたり安定した強度を維持できるため、親から子、そして孫へと長く住み繋ぐ事が可能な住宅です。

柱と柱の間には、筋交い等がないため間取りの変更も自由自在です。

将来、家族構成やライフスタイルが変われば、壁を打ち抜くなど、思いのままにリフォームして住む事が出来ます。もちろん、3階建ても可能ですので、限られた敷地で大家族同居したい場合にもお奨めの工法です。

さらに、柱や壁のない巨大なリビングや、幅数メートルに及ぶ巨大な窓を作ったり、あるいは屋上庭園、屋上プール、展望露天風呂といった設計を採用する事も充分可能です。一般の住宅の常識にとらわれない、大胆な間取りや設計を満喫するなら重量鉄骨の家がお奨めです。

さらに、法定耐用年数が34年と長いため、住宅ローンを長く設定できます。

その分毎月の返済額が抑えられ、暮らしにゆとりが生まれます。また、火災保険が安いといったメリットもあります。

反対にデメリットとしては、建設には大型の重機が必要であるなど、工事が大掛かりになるため、ある程度コストが掛かってしまいます。

木造住宅の3割程度は多く掛かると言われています。

また、重機が入れないような立地では建設できない場合もあります。

さらに、建物が重くなるため、地盤がしっかりしている必要があり、場合によっては地盤改良が必要なケースも考えられます。重い住宅を支えるために基礎もより頑丈である必要があるため、基礎工事も木造住宅よりも長くかかります。

また、重量鉄骨製の橋などで錆による耐久性の劣化が問題になっていることから、鉄骨が錆びる事を心配される方もいます。

しかし、住宅の場合は、鉄骨を直接外気や温度変化にさらさないように、外断熱(鉄骨ごと断熱材で被ってしまう)工法を採用するなどの対策がとられており、外気や雨に直接さらされる公共建築物のように錆でボロボロになる心配は殆どありません。

また、建築の際には構造計算が義務付けられていますのでその費用が発生します(その分、しっかり構造計算された家に安心して住むことができるとも考えられます)。また、固定資産税が若干割高で、下がり方も遅い(資産価値が長続きするため)とされます。

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