新築一戸建てなど住宅購入の際に行われる重要事項説明については別項で説明しましたが、ここではその説明で使われる重要事項説明書の中身について眺めてみましょう
重要事項説明書にはどんなことが書かれているのか
重要事項説明書に具体的にどんなことが書かれているのでしょうか。つまりこの書類の中身はどうなっているのでしょうか。この書類に書かれているのは次のような事項です。
対象の宅地・建物に関する事項
①登記記録。
②都市計画法、建築基準法。
③私道の負担。
④水道・ガス・電気及び排水施設。
⑤工事完了時の形状や構造。
⑥造成宅地防災区域、土砂災害警戒区域。
⑦アスベスト使用調査。
⑧耐震診断。
⑨住宅性能評価書。
取引条件に関する事項
①代金や交換差金以外の授受金額。
②契約解除。
③損害賠償と違約金。
④手付金、支払金、預かり金などの保全措置。
⑤住宅ローンなど金銭貸借の斡旋。
⑥瑕疵反故責任に関する事柄。
⑦不動産割賦販売に関する事柄。
その他の事項
保証金の供託所に関する事項や、他にも取引に重大な影響を及ぼすと判断される事柄についても記載されます。
トラブルを回避するためにも重要事項説明書には必ず目を通しておく
新築一戸建てを購入する際、契約書は重視しても重要事項説明書の方にはそれほど注意を払わない人もよく見受けられます。
しかし、この書類によく目を通していなかったばかりに、後々に思わぬトラブルに翻弄されることになるかもしれないのです。
なぜなら、この重要事項説明書には契約書にも書かれていない細部についてまで、重要と思われる様々は事柄が書き込まれているからです。
クレーム産業という言葉を聞いたことはありませんか?クレーム産業とは、まさに住宅業界のことを指しているのです。
なぜなら数多くの業界の中で、住宅業界こそ最もクレームが多い業種であるからなのです。
こうした業界であるだけに、住宅取引には細心の注意を払って臨まなければいけないのです。
その注意の一つが重要事項説明書によく目を通すことなのです。
前述したように、この書類には契約書には書いていない重要な事柄が含まれています。
したがって<契約書に目を通したたから大丈夫>、と思っては駄目なのです。
契約に先駆けて宅地建物取引主任者による重要事項説明が行われるのは、ユーザーをトラブルから回避させるためなのです。
つまり、建物などの取引については素人であることが多いユーザーを、トラブルに巻き込まないようにするために、あえてこの制度が設けられているのです。
したがって、この説明を受ける時には耳をそばだてて熱心に聴くことが極めて大切なのです。
それだけではありません。渡された重要事項説明書にも、一通り目を通すことが欠かせません。
それも説明を受けた後でなく、なるべく早い時期に渡してもらい、時間的にも余裕を持って目を通しておくのが得策です。